モアークリート各種試験結果
混和剤の位置づけ
JISにおけるコンクリート用混和剤の特性(標準型)は以下のとおり規定されており、「モアークリート」を財団法人・建材試験センターで適合試験をした結果以下のとおりです。
項 目 |
AE剤 | 減水剤 | AE減水剤 | 高性能AE減水剤 | 建材試験 | |
減水率 % |
6以上 | 4以上 | 10以上 | 18以上 | 13.0 | |
ブリーディング量の比 % |
75以下 | 100以下 | 70以下 | 60以下 | 88.0 | |
凝結時間の差min |
始発 | -60~+60 | -60~+90 | -60~+90 | -30~+120 | -20 |
終結 | -60~+60 | -60~+90 | -60~+90 | -30~+120 | -20 | |
圧縮強度比 | 材齢3日 | 95以上 | 115以上 | 115以上 | 135以上 | 103 |
材齢7日 | 95以上 | 110以上 | 110以上 | 125以上 | 104 | |
材齢28日 | 90以上 | 110以上 | 110以上 | 115以上 | 102 | |
長さ変化比 % | 120以下 | 120以下 | 120以下 | 110以下 | 102 | |
凍結融解に対する抵抗性 (相対動弾性係数 %) |
80以上 | ― | 80以上 | 80以上 | 94 | |
経時変化量 | スランプ cm | ― | ― | ― | 6.0以下 | 4.3 |
空気量 % | 1.5cm以内 | 0.6 |
「モアークリート」は、成分上全くAEは含まれておらず、試験結果、減水率、凝結時間、長さ変化、凍結融解に対する抵抗性、経時変化量は高性能減水剤に適合し、他の項目は化学混和剤に適合しています。
確認試験結果
於)八戸工業大学・土木工学科(平成13年~19年) 他混和剤との比較(JISおよび学会規格)
比較・検証 |
試験結果 | 評価 ・ 考察 | |||
ゼータ電位 |
純水+セメント(-17.9mV) 純水(-64・4mV) |
セメント表面が負に帯電しており 陰イオン系界面活性剤である。 |
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粒度分布 |
無添加 | 直前添加 | W/C=5% W=100g C=200g (音響分光法) フロック状に凝集したセメント粒子が適度に 分散され、流動性の改善効果が期待できる。 |
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中央径(μm) | 4.57 | 2.91 | |||
平均径(μm) | 7.21 | 5.14 | |||
スランプ試験 | スランプ8cm(+2cm程度) スランプ18cm(多少の向上(2~3cm)) |
実施施工において スランプ12cm→+2cm スランプ15cm→+2cm程度が 確認されている。 |
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空気量試験 | 空気連行性は確認されない。 | 時間経過において減少傾向にある。 | |||
振動台 コンシステンシー試験 (VB試験) |
全てにおいてVB沈下度が小さくなる ことが確認された。 |
振動下においてコンシステンシーが向上する。 | |||
フレッシュ コンクリート の経時変化 |
スランプロスしたコンクリートでも +2~3cm程度スランプを改善 |
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時間経過とともにエアーロスするが、練り 上がりに添加すると0.5%程度増大する。 |
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VB沈下度は、60分経過後添加すると 約60秒減少する。 |
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レオロジー定数で、見かけ降伏点は低下し、 見かけ塑性粘度の変化はない。 |
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ブリーディング試験 | W/C=40%、50%、60%いずれに おいても20%以上の減少を確認。 |
フロック状のセメント粒子がより分散され、 保水性が向上したことにによるもの。 |
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凝結試験 | 始発・終結時間とも遅延する傾向。 添加量の増加に伴いこの傾向が確認。 |
セメントが負に帯電しているため、凝結の進行を 阻害しているものと思われる。 |
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圧縮強度試験 | 分散剤の有無による大きな差は 確認されなかった。 |
凝結時間が遅れる傾向にあったが、硬化性状には 影響が無く、十分な強度発現がある。 |
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引張強度試験 | 圧縮強度の1/9~1/13の範囲内 | 添加と同等 | |||
曲げ強度試験 | 圧縮強度の1/5~1/8の範囲内 | 添加と同等 | |||
静弾性係数試験 | 圧縮強度の関係は土木学会の指針より大きい。 | 添加と同等 | |||
細孔分布の測定 | 深度に関わらずばらつきが小さい。 | 均一性が向上。 適度な分散効果により、分離抵抗性が改善され 均一な組織構造が構成されている。 |
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粗骨材界面の 脆弱層の測定 |
脆弱層が減少する。 | 分散効果により粗骨材界面に移動する 自由水が減少したことや締め固め性能が向上した。 |
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凍結融解試験 | 相対動弾性係数300サイクル時点80%以上 30分経過後300サイクル終了時点約90% 質量減少率・・・2%未満 |
高い凍結融解抵抗性。 添加による凍結融解作用の影響低い。 |
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スケーリング試験 | 無添加と比較してスケーリング量が 0.1kg/㎡以上抑制されている。 |
ブリーディング抑制効果による材料分離抵抗性 や保水性能が改善されたため。 |
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塩化物イオンの 浸透深さ試験 |
若干の改善効果 | 塩害に影響はあたえない。 | |||
促進中性化試験 | 無添加と同等。 | 中性化速度係数への影響低い。 物質透過性の影響は無い。 |
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乾燥収縮試験 | 無添加と比較して、ひずみ係数約13%低減 | 減水効果は無く、単位水量に 影響を与えない性質。 |
均一性の確認試験結果【ばらつき(偏差)による検証】
その他の試験結果
制度の名称 | 急性経口毒性試験 |
番 号 | 第399040239-001号 |
証明年月日 | 1999年 2013年8月 |
証明機関 | 財団法人 日本食品分析センター |
証明範囲 | DECO化学物質毒性試験指針 |
(評価) 急性毒性の危険性なし
制度の名称 | 混合水の水質検査 |
番 号 | 第53-17-03278号 |
証明年月日 | 2005年8月31日 |
証明機関 | 財団法人 広島環境保険協会 |
証明範囲 | 水道法に基づく水質試験指針 |
報告及び発表実績
発表・報告名称 | 多機能剤のデオロジーの研究報告 |
発表・報告場所 | 土木学会・年次報告(東京本部・早稲田大学) |
発表・報告時期 | 平成17年07月 |
発表・報告者 | 八戸工業大学・土木工学科(修士課程) |
備 考 | 化学混和剤部会 |
発表・報告名称 | 多機能剤のデオロジーの研究報告 |
発表・報告場所 | シンガポール土木学会・日本土木学会 (シンガポール) |
発表・報告時期 | 平成18年08月 |
発表・報告者 | 八戸工業大学・土木工学科(修士課程) |
備 考 | コンクリート部会 論文賞受賞 |
発表・報告名称 | 多機能剤のデオロジーの研究報告 |
発表・報告場所 | 日本土木学会・東北支部(秋田大学) |
発表・報告時期 | 平成19年02月 |
発表・報告者 | 八戸工業大学・土木工学科(修士課程) |
備 考 | ー |